昨日は、昼過ぎから妻と車で出かけて、やや大きめの書店でぶらぶら。そこでたまたま手に取ったのがこの本。
「理解」について書かれていた箇所があり、「頭の良い人たちでも、まず理解することに時間をかける。理解が不十分な状態で試行錯誤しても、それは無駄になってしまう」といったような事が書かれていた。 私がこのところChatGPT にhtmlを書かせようとしているやり方がまさしくそれで、htmlもcssもmarkdownも、どれも「理解」どころか「無知」に近い状態で的外れな指示を出しては落胆している(ただそのプロセスを楽しんでいるのも事実)。 そこで、「理解」とは何か、という当たり前の事について尋ねてみた。
Q)「理解」とは何でしょうか。物事を理解しようとするプロセス、そして「理解出来た」時に、人間の脳において何が起きているのか、解説してください。
「理解」とは、情報や知識を把握し、関連付け、それに基づいて意味や意図を認識する能力です。理解のプロセスは複雑で、多くの心理的および神経生理学的要因が関与します。
理解のプロセス
- 情報の受容: 外部からの情報が感覚器官(視覚、聴覚など)を通じて脳に送られます。
- 情報の処理: 受け取った情報は脳の異なる部位で処理されます。視覚情報は視覚皮質、聴覚情報は聴覚皮質などが担当します。
- 既存知識との照合: 新しい情報は、既に持っている知識や経験と照合されます。これは記憶の中で行われます。
- 意味の形成: 照合された情報から意味が形成されます。これには前頭葉が関与し、推論や判断が行われます。
理解出来た時の脳の動き
「理解出来た」と感じる時、脳内では以下のような活動が見られます。
- シナプスの強化: 情報の伝達経路が強化され、ニューロン間のシナプス結合が強固になります。これは長期増強(LTP)と呼ばれる現象です。
- 海馬の役割: 新しい情報を長期記憶として保持するために、海馬が重要な役割を果たします。情報は海馬を経由して大脳皮質に保存されます。
- ドーパミンの分泌: 理解の瞬間に達成感や喜びを感じるのは、報酬系の神経伝達物質であるドーパミンの分泌が増加するためです。
- 前頭前野の活性化: 前頭前野は抽象的な思考や問題解決に関与しており、理解が進むにつれて活性化します。
まとめ
理解は単なる情報の受け入れではなく、情報を関連付け、統合し、新たな知識として定着させるプロセスです。この過程で脳は複雑なネットワークを駆使し、シナプスの強化や神経伝達物質の分泌によって「理解出来た」という感覚を生み出します。
Q)「試行錯誤」の意義を、「理解」との関係の視点から解説してください。
「試行錯誤」は、新しい問題や課題に取り組む際に、異なる方法を試して成功や失敗を繰り返しながら最適な解決策を見つけるプロセスです。このプロセスは「理解」と深く関係しています。以下にその関係を解説します。
試行錯誤の意義
- 学習の深化: 試行錯誤を通じて、異なるアプローチや方法を実際に試すことで、単なる理論的な知識ではなく、実践的な知識が得られます。これにより、理解が深まります。
- フィードバックループの形成: 失敗から得られるフィードバックは、何が間違っていたのか、どの部分がうまくいったのかを明確にし、次の試みを改善するための重要な情報を提供します。このフィードバックが理解のプロセスを強化します。
- 問題解決能力の向上: 試行錯誤は、問題解決能力を高める重要な手段です。様々な解決策を検討し、適用する過程で、どの方法が効果的かを理解し、将来的に似た問題に直面したときに迅速に対応できるようになります。
試行錯誤と理解の関係
- 経験の積み重ね: 試行錯誤を通じて得られた経験は、既存の知識と新しい情報を統合し、理解を深化させます。この統合過程で、脳内のシナプス結合が強化され、情報の保持と再利用が容易になります。
- 適応的学習: 試行錯誤によって得られる失敗と成功の経験は、適応的学習を促進します。これは、新しい状況に柔軟に対応できる能力を高め、深い理解を生むための基盤となります。
- 認知フレームの修正: 試行錯誤は、既存の認知フレーム(物事を理解するための枠組み)を修正する機会を提供します。新たな情報や視点を取り入れることで、より包括的で正確な理解が形成されます。
理解の深化における試行錯誤の役割
- 実験と検証: 理解を深めるためには、理論や仮説を実際に試し、その結果を検証することが重要です。試行錯誤はこのプロセスを支え、理解を具体的かつ実証的なものにします。
- エラーの価値: 失敗は理解の過程において非常に重要な役割を果たします。失敗から学ぶことで、誤りを修正し、次回の試みに生かすことができます。これは理解を進化させる原動力となります。
- 創造性の発揮: 試行錯誤は新しいアイデアやアプローチを生み出すための創造的なプロセスです。この創造性が新たな理解を生み出し、既存の知識を超える発見につながります。
まとめ
「試行錯誤」は「理解」を深化させるための不可欠なプロセスです。失敗と成功の経験から学び、適応的に問題解決を図ることで、理解は単なる情報の受容を超え、実践的かつ深い知識となります。このプロセスを通じて得られるフィードバックや経験が、理解をより確固たるものにし、未来の課題解決に向けた強固な基盤を築きます。
子どもが小学校に上がって少ししてから、Scratchというプログラミング環境で遊ぶようになった。
今のようにプログラミング教育が学校に導入されるより以前で参考となる書籍も数少なかったが、一緒に遊んでいる過程でこのような記事を読んだりして、「試行錯誤」を意識するようになった。
子どものその後の進路に少なからず影響を与えるきっかけになったと思う。そして、これから社会に出ていく子どもとは対照的に、退場していこうとする今になって、理解の重要性をわかっていながらそれを無視して試行錯誤を繰り返している。おそらく、理解のために必要なのは「根気」で、そろそろそれが枯渇しているのだ、という気がしている。