それまで西洋のロックばかり聴いていた私が、18歳から19歳の1年間はRCサクセションだけを聴いていた。
同級生の兄が早稲田のイベント関連のサークルに所属していて、そのツテで同級生3人と一緒に早稲田祭の前夜祭として大隈講堂で行われたRCのライブに行ったのだ。
確か、第1部がRC、第2部がシーナ&ザ・ロケッツだった。
このライブに、18歳の高校生4人組は、それはもう大変な衝撃を受けた。
そのうち一人は、翌日からずっと清志郎のような口調になってしまった。
アルバムは、『シングル・マン』と『ラプソディ』を持っていたと思う。
こんな凄いバンドがどうしてメジャーにならないんだろう、と思いながら、彼らが載っている数少ない媒体である『宝島』を読んだりしていた。
そうこうしているうちに、どんどんメジャーになって、58歳で亡くなっちゃった。
今でもピンと来ない。
自分が彼の年齢を超えてしまったことも含めて。
坂本龍一がNHK-FMでやっていた『サウンドストリート』に出た清志郎が、「30歳になっちゃった」と大はしゃぎしていたことなど思い出す。
大学生の頃に何かの用事でアルファレコードに行った事があって、その時にエレベーターで坂本龍一と一緒になったことがあった。
中学生の頃に家庭教師をしてくれた慶大生が新宿高校出身で、彼も高校時代から学生運動をやっていた、と話していたので、おそらく一緒にやっていたのかもしれない。
YouTubeに、この早稲田祭前夜祭の日の音源があるというので、聴きながらこれを書いている。
おそらく自分でもFM番組を録音したはずなのだが、カセットテープはまだ実家に残っているだろうか。
この時の口上(MC)は今でも覚えてる。
生協でドナ・サマーのレコードを買った話とか。
ちょうど、『トランジスタ・ラジオ』がシングルカットされていた頃だ。
懐かしい。
清志郎の口調になってしまった友人は、30歳になる前に亡くなってしまった。
シーナも鮎川誠も坂本龍一も亡くなっちゃって、だけど誰の死も、全然ピンと来ない。