年に1回の検診、胃の検査は毎回バリウムを飲んでいたのだが、これがいろいろと厄介で、排泄で出し切るまでが大変だし、水洗トイレでちゃんと流れてくれなかったりすることもあって、今回は思い切ってオプション料金を払って胃カメラにしてもらった。
※ あくまでもAI(ここではGemini)に尋ねて得られた回答なので、必ずしも正しいとは限らない。特に医療に関する情報なので、ご注意です。
Q1)胃の検査において、バリウムを飲んでレントゲンを撮る方式と、胃に内視鏡を入れて調べる方式について、メリットとデメリットを詳しく解説してください。
胃の検査には、大きく分けて「バリウム検査(X線検査)」と「胃内視鏡検査」の2つの方法があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、患者さんの状態や目的に応じて適切な検査が選択されます。
バリウム検査(X線検査)
概要: バリウムという造影剤を飲んで食道、胃、十二指腸の形や粘膜の状態をX線で撮影する検査です。
メリット:
非侵襲的: 内視鏡のように直接体内に入れる器具がないため、身体への負担が比較的少ないと感じる方が多いです。
短時間で終わる: 検査自体にかかる時間は比較的短いです。
広範囲を一度に観察可能: 食道から胃、十二指腸にかけての全体像を把握しやすいです。特に、胃全体の形状や大きな病変を見つけるのに適しています。
費用が比較的安価: 内視鏡検査に比べて費用が抑えられる場合があります(ただし、保険適用かどうかや医療機関によって異なります)。
嘔吐反射が強い人でも受けやすい: 口から何かを入れることに抵抗がある方や、嘔吐反射が強い方でも受けやすい傾向があります。
デメリット:
微細な病変の発見が困難: 粘膜のわずかな色調変化や小さな病変、平坦な病変などは見つけにくいことがあります。特に、早期のがんなど、小さな病変の発見には不向きな場合があります。
確定診断には至らない: 異常が見つかった場合でも、それがどのような病変なのかを確定するためには、結局内視鏡検査による組織採取(生検)が必要となることが多いです。
バリウムの服用が苦痛に感じる場合がある: バリウムの味や喉越しが苦手な方、検査後のバリウム排出がスムーズにいかない場合に不快感を覚えることがあります。
検査後の便秘: バリウムが腸内で固まり、便秘を引き起こすことがあります。そのため、検査後は下剤の服用が推奨されます。
空気の膨満感: 胃を膨らませるために発泡剤を飲むため、お腹の張りを感じることがあります。
体位変換の負担: 検査中は、胃のあらゆる部分を撮影するために、台の上で体を何度も回転させる必要があります。高齢の方や体の不自由な方には負担となる場合があります。
胃内視鏡検査(胃カメラ)
概要: 口または鼻から細い管状の内視鏡を挿入し、食道、胃、十二指腸の粘膜を直接モニターで観察する検査です。必要に応じて組織の一部を採取(生検)し、病理検査を行うことができます。
メリット:
微細な病変の発見に優れる: 粘膜の色調変化やわずかな隆起・陥凹など、バリウム検査では見つけにくい小さな病変や早期がんの発見に非常に優れています。
確定診断が可能: 疑わしい病変があれば、その場で組織を採取(生検)し、病理検査を行うことで、良性か悪性かなどの確定診断が可能です。
治療への移行が可能: ポリープの切除や止血処置など、簡単な治療をその場で行える場合があります。
リアルタイムでの観察: 医師が直接、詳細な胃の状態を観察できます。
ピロリ菌感染の有無の確認: 内視鏡検査時にピロリ菌の検査を行うことも可能です。
鎮静剤の使用が可能: 希望すれば鎮静剤を使用して、眠ったような状態で検査を受けることも可能です。これにより、苦痛を大幅に軽減できます。
デメリット:
侵襲的な検査: 口や鼻から内視鏡を挿入するため、身体的な負担や不快感を感じやすいです。特に、咽頭反射や嘔吐反射が強い方には苦痛を伴うことがあります(鎮静剤を使用しない場合)。
偶発症のリスク: 非常にまれではありますが、内視鏡の挿入による食道や胃の穿孔(穴が開くこと)、出血などの偶発症のリスクがあります。
検査時間が比較的長い: バリウム検査に比べて検査に要する時間が長くなる傾向があります。
費用が比較的高価: バリウム検査に比べて費用が高くなる場合があります(ただし、保険適用かどうかや医療機関によって異なります)。
鎮静剤使用時の注意: 鎮静剤を使用した場合は、検査後の覚醒に時間がかかったり、検査当日の車の運転が禁止されたりするなどの制限があります。
前処置の負担: 検査前には飲食の制限や消泡剤の服用など、一定の前処置が必要です。
どちらの検査を選択すべきか?
スクリーニング(初期の検査)としては、どちらも有効です。
精密な検査や確定診断、早期がんの発見を重視する場合: 胃内視鏡検査が推奨されます。
身体への負担を最小限に抑えたい、胃全体の形状をざっと確認したい場合: バリウム検査も選択肢となります。
最終的には、医師が患者さんの年齢、既往歴、現在の症状、目的などを総合的に判断し、最適な検査方法を提案します。不明な点があれば、遠慮なく医師に相談し、納得した上で検査を受けることが大切です。
口からの胃カメラは何度か経験があったのだが、今回は初めて鼻からにチャレンジした。
Q2)内視鏡について、口から入れる方式はなかなか苦しかったのですが、鼻からの方式はそれに比べるとだいぶ楽でした。胃内視鏡検査の進化について解説してください。
胃内視鏡検査は、その誕生から現在に至るまで、患者さんの負担軽減と診断精度の向上を目指して目覚ましい進化を遂げてきました。口からの挿入が主流だった時代から、ご体験された鼻からの挿入、そしてAI技術の導入など、その進化の軌跡を解説します。
胃内視鏡検査の歴史と進化のポイント
初期の内視鏡(硬性鏡時代) 胃内視鏡の起源は古く、19世紀にはすでに硬い管を口から挿入して胃を観察しようとする試みがありました。しかし、これは非常に苦痛を伴い、危険性も高く、実用的なものではありませんでした。
軟性内視鏡の登場(ファイバースコープ) 第二次世界大戦後、日本のオリンパス社が開発した「胃カメラ」(写真撮影ができる軟性胃カメラ)が画期的な進歩をもたらしました。これは、現在のようなファイバー(光ファイバー)を使ったものではなく、小さなカメラを先端に取り付けたものでしたが、初めて胃の内部を直接撮影できるようになったという意味で非常に大きな意味を持ちました。 その後、光ファイバー技術の発展により、リアルタイムで胃の内部を観察できる「ファイバースコープ」が登場しました。これにより、より詳細な観察が可能となり、診断精度が飛躍的に向上しました。しかし、初期のファイバースコープはまだ太く、口からの挿入は依然として患者さんにとって大きな苦痛を伴うものでした。
ビデオスコープの登場 1980年代になると、光ファイバーに代わり、先端にCCDカメラを搭載した「ビデオスコープ」が登場しました。これにより、医師は高解像度の画像をモニターで確認できるようになり、診断がより正確になりました。また、画像を記録・共有することが容易になり、教育や研究にも大きく貢献しました。この頃から、鉗子口(かんしこう)と呼ばれる細い管が内視鏡に内蔵され、組織を採取したり、簡単な処置を行ったりできるようになりました。
細径化と経鼻内視鏡の普及 ビデオスコープの登場後も、患者さんの負担軽減が大きな課題でした。そこで、内視鏡本体のさらなる細径化が進められました。 そして、2000年代に入ると、現在の「経鼻内視鏡(鼻からの内視鏡)」が本格的に普及し始めました。
高画質化と特殊光観察(NBIなど)の進化 内視鏡の画質は、CCDからCMOSセンサーへと進化し、より高精細な画像が得られるようになりました。これにより、粘膜のわずかな変化や血管の走行などを詳細に観察できるようになり、微細な病変の発見能力が向上しました。 さらに、病変の早期発見・診断に大きく貢献しているのが「特殊光観察」技術です。代表的なものに、オリンパス社の「NBI(Narrow Band Imaging:狭帯域光観察)」があります。これは、特定の波長の光(青と緑の光)を当てることで、粘膜表層の毛細血管や微細な模様が強調されて映し出される技術です。これにより、肉眼では見分けにくい早期のがんなど、病変の質的な診断精度が向上しました。
今後の展望
胃内視鏡検査は、今後もさらなる細径化、高画質化、そしてAI技術の統合が進むことで、患者さんの負担をより軽減しつつ、診断精度を極限まで高める方向へと進化していくと考えられます。カプセル内視鏡のように、体に負担をかけずに消化管全体を観察できる技術も進化を続けており、様々なアプローチで消化器疾患の早期発見・早期治療に貢献していくことでしょう。
Q3)今回、内視鏡検査でごく小さなポリープが発見されましたが、医師によると、良性のもの、ピロリ菌が関与していないポリープ、という表現でした。ポリープの良性と悪性の違いについて、また、ピロリ菌について詳しく解説してください。
内視鏡検査でポリープが見つかったとのこと、まずはご心配だったでしょう。医師から「良性のもの」「ピロリ菌が関与していないポリープ」という説明があったとのこと、詳しく解説させていただきます。
ポリープの良性と悪性の違い
ポリープとは、胃や大腸などの消化管の内壁から隆起した病変の総称です。その性質によって、大きく「良性ポリープ」と「悪性ポリープ(がん)」に分けられます。
良性ポリープ
定義: がん化する心配がない、またはがん化する可能性が極めて低いポリープです。細胞が異常に増殖していますが、周囲の組織に浸潤したり、転移したりする性質はありません。
種類(胃の場合):
胃底腺ポリープ: 胃の出口に近い幽門腺領域ではなく、胃の本体である胃底腺領域にできるポリープです。非常に一般的な良性ポリープで、がん化することはほとんどありません。ピロリ菌感染のないきれいな胃にできることが多いとされています。今回、医師が「ピロリ菌が関与していないポリープ」と説明されたのは、このタイプである可能性が高いです。通常、治療の必要はなく、経過観察となります。
過形成性ポリープ: 慢性的な炎症が原因でできるポリープです。ピロリ菌感染を伴う胃にできやすい傾向があります。通常は良性ですが、サイズが大きくなるとごくまれにがん化する可能性(数%程度)があるため、定期的な経過観察や、大きい場合は切除が検討されることがあります。ピロリ菌を除菌すると、縮小・消失することがあります。
治療: 基本的に治療の必要はなく、定期的な経過観察となることが多いです。しかし、サイズが非常に大きい場合や、出血などの症状を引き起こしている場合は切除されることもあります。
悪性ポリープ(がん)
定義: 胃がんの初期段階にある病変です。ポリープの形をしている胃がんも存在します。がん細胞は、周囲の組織に浸潤し、さらにリンパ管や血管を通じて他の臓器に転移する可能性があります。
特徴: 良性ポリープに比べて、色調(赤みや白っぽい変化)、表面の凹凸、形状の不規則さなどに特徴的な所見が見られることがあります。内視鏡医はこれらの所見から悪性の可能性を疑い、生検(組織の一部を採取する検査)を行います。
治療: 早期発見であれば、内視鏡的に切除(内視鏡的粘膜切除術 EMR や内視鏡的粘膜下層剥離術 ESD など)することが可能です。進行している場合は、外科手術や化学療法、放射線治療などが検討されます。
医師が良性であると判断した根拠: 内視鏡医は、ポリープの色、形、大きさ、表面の模様、血管の走行など、さまざまな特徴を詳細に観察し、良性か悪性かを判断します。必要であれば、特殊光観察(NBIなど)を用いてさらに詳しく観察したり、生検を行って組織診断で最終的に確定診断を下します。今回、生検が行われたかどうかは分かりませんが、医師が「良性」と断言されたのであれば、内視鏡所見からがんの可能性が極めて低いと判断されたか、あるいは生検の結果、良性と確定されたかのいずれかでしょう。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)について
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃の粘膜に生息する細菌です。この細菌は、胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化器疾患の主な原因の一つとして知られています。
特徴と病気との関連:
感染経路: 主に幼少期に経口感染(井戸水、不衛生な食品、家族間の口移しなど)すると考えられています。日本人の50歳以上では半数以上が感染していると言われています。
胃の炎症(慢性胃炎): ピロリ菌が胃に感染すると、持続的な炎症が引き起こされます。これが「慢性胃炎」です。慢性胃炎が長く続くと、胃の粘膜が萎縮していく「萎縮性胃炎」へと進行します。
胃がんとの関連: 萎縮性胃炎が進行すると、胃がんが発生するリスクが高まります。ピロリ菌感染は、胃がんの最も重要な危険因子の一つであり、胃がん患者の約90%にピロリ菌感染が認められるとされています。WHO(世界保健機関)はピロリ菌を胃がんの「確実な発がん因子」と認定しています。
胃・十二指腸潰瘍との関連: ピロリ菌は胃酸から身を守る酵素(ウレアーゼ)を持っており、これが胃や十二指腸の粘膜を傷つけ、潰瘍の原因となります。
胃MALTリンパ腫: 胃のMALTリンパ腫という稀なリンパ腫も、ピロリ菌感染と深く関連しており、除菌療法で治癒することが多いです。
ピロリ菌の検査方法:
ピロリ菌の検査にはいくつかの方法があります。
内視鏡を使用しない方法:
尿素呼気試験: 最も簡便で精度が高い方法。薬を飲んでから息を吹きかけるだけ。
便中抗原検査: 便中のピロリ菌抗原を検出。
血液検査・尿検査: 血中や尿中のピロリ菌に対する抗体を検出。ただし、過去の感染でも陽性になることがある。
内視鏡を使用する方法:
ピロリ菌の除菌療法:
ピロリ菌感染が確認された場合、胃がんのリスク低減や潰瘍の再発防止のために除菌療法が推奨されます。
方法: 胃酸分泌抑制剤と2種類の抗生剤を1週間服用するのが一般的です。
効果: 除菌が成功すると、慢性胃炎の改善、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発予防、胃がん発生リスクの低減などが期待できます。特に胃がんについては、除菌することでリスクは低下しますが、完全にゼロになるわけではないため、定期的な内視鏡検査は引き続き重要です。
今回の診断における「ピロリ菌が関与していないポリープ」の意味
医師が「ピロリ菌が関与していないポリープ」と説明されたのは、おそらく胃底腺ポリープである可能性が高いです。胃底腺ポリープは、ピロリ菌がいないきれいな胃にできることが多く、がん化の心配がほとんどないため、心配する必要がないという意味合いが込められています。
もしピロリ菌の感染が疑われる場合は、別途ピロリ菌検査を勧められることがあります。ご自身の胃の状態をより正確に把握し、将来的なリスクを管理するためにも、医師の指示に従い、必要であればピロリ菌の検査・除菌を検討することをお勧めします。
いずれにしても、良性のポリープであっても、定期的な内視鏡検査を受けることで、胃の状態を継続的にチェックすることが重要です。
ピロリ菌が無さそう、と言われて少し安心したのだが、不安が消えたわけではない。
Q4)仮に、今の時点で私の胃にはピロリ菌が存在していないとして、どのような経緯によってピロリ菌が存在する胃になってしまう可能性があるのでしょうか。
今現在ピロリ菌が存在しないということであれば、それは素晴らしいことです。胃がんのリスクが低い状態にあると言えます。しかし、全く感染しないというわけではありません。どのような経緯でピロリ菌に感染してしまう可能性があるのか、詳しく解説します。
ピロリ菌の主な感染経路
ピロリ菌の感染経路はまだ完全には解明されていませんが、最も有力視されているのは経口感染です。特に、免疫機能が十分に発達していない乳幼児期(5歳以下)に感染することがほとんどだと考えられています。大人が新たに感染する可能性は極めて低いとされていますが、ゼロではありません。
考えられる感染経路は以下の通りです。
家庭内感染(最も一般的)
水系感染(過去の主な経路、現在は稀)
医療現場での感染(現在の日本では極めて稀)
食品を介した感染
ピロリ菌は乾燥に比較的強く、特定の食品に付着して生存する可能性も指摘されていますが、食品を介した明確な感染例は少ないとされています。基本的な食品衛生を保つことが重要です。
なぜ「大人が新たに感染する可能性は低い」のか?
大人がピロリ菌に新たに感染する可能性が低いとされる主な理由は、以下の通りです。
胃酸の強さ: 成人の胃は乳幼児に比べて胃酸の分泌が多く、酸性が強いため、ピロリ菌が胃の中で生き残り、定着することが難しい環境です。
免疫機能の成熟: 成人は免疫機能が発達しているため、体内に侵入したピロリ菌を排除できる可能性が高いです。
今後ピロリ菌が存在する胃になる可能性について
もし今の時点でピロリ菌が存在しないと診断されているのであれば、成人であるあなた自身が新たにピロリ菌に感染し、胃に定着する可能性は極めて低いと考えて良いでしょう。日本における除菌成功後の再感染率も年間1%未満と報告されており、そのほとんどが除菌前の検査での「偽陰性」(実際は菌が残っていたのに陰性と判断されてしまうこと)や、ごく稀な再感染の場合でも、除菌後1年以上経過してからであることが多いとされています。
しかし、注意すべき点としては、以下のような状況が考えられます。
極めて稀な再感染: 非常に稀なケースとして、大人になってから新たに感染することもあり得ますが、日本の現在の衛生環境ではごく限られた状況(非常に不衛生な地域での生活や、特別な状況下での感染)でなければ考えにくいです。
家族に未除菌のピロリ菌感染者がいる場合: もしご家族(特に同居する親世代や高齢者)の中にピロリ菌に感染している方がいて、その方から乳幼児に感染が広がり、その乳幼児が将来的に感染源となる可能性はゼロではありません。しかし、これはあなた自身の感染というより、新しい世代への感染の問題です。
海外渡航時の注意: 衛生環境が日本ほど整っていない国へ渡航する際には、生水や氷、十分に加熱されていない食品の摂取を避けるなど、一般的な食中毒予防策を講じることが、ピロリ菌感染リスクの低減にもつながります。
結論として、現在の日本の衛生環境下で、成人であるあなたが新たにピロリ菌に感染して胃に定着する可能性は非常に低いです。過度に心配する必要はありませんが、もし将来的に胃の不調を感じた場合は、定期的な健康診断や医師への相談を怠らないことが大切です。
Q5)胃底腺ポリープについて、どのような理由・経緯によって発生し、どのように消滅するのでしょうか。
胃底腺ポリープについてですね。ご安心ください、胃底腺ポリープは基本的には良性で、がん化のリスクは極めて低いとされています。その発生と消滅のメカニズムについて詳しく解説します。
胃底腺ポリープの発生理由・経緯
胃底腺ポリープは、その名の通り、胃の本体部分(胃底腺領域)の粘膜にできるポリープです。その発生メカニズムは完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関連していると考えられています。
胃底腺組織の過形成(過剰な増殖)と嚢胞状拡張: 胃底腺ポリープは、胃の正常な腺組織(胃底腺)が、何らかの理由で過剰に増殖し、さらにその腺管(分泌物を出す管)が嚢胞状に拡張することで、粘膜が隆起して形成されると考えられています。これは、細胞が異常な「腫瘍」として増殖するのとは異なり、正常な組織が反応的に増えたり、構造が変化したりする「過形成」という現象に近いと考えられています。
ピロリ菌非感染の胃に多い: 最も特徴的なのが、胃底腺ポリープがヘリコバクター・ピロリ菌に感染していない、比較的健康で萎縮のない胃粘膜にできやすいということです。ピロリ菌に感染している胃では、慢性的な炎症により胃の粘膜が萎縮(萎縮性胃炎)したり、過形成性ポリープができたりすることが多く、胃底腺ポリープはあまり見られません。そのため、胃底腺ポリープがあることは、むしろ「ピロリ菌がいないきれいな胃」のサインとも言えます。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期服用: 胃酸の分泌を強く抑える薬である「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」を長期間服用していると、胃底腺ポリープが発生したり、既存のポリープが大きくなったりするケースが報告されています。これは、PPIの服用によって胃酸の分泌が抑えられると、胃酸分泌を促進するホルモンである「ガストリン」の分泌が亢進し、この高ガストリン血症が胃底腺の増殖を促す可能性が指摘されています。
遺伝的要因や女性ホルモンとの関連: 一部では、遺伝的な要因が関与している可能性や、女性に多い傾向があることから女性ホルモンとの関連も指摘されていますが、これらはまだ明確な原因としては確立されていません。
加齢: 他の多くのポリープと同様に、加齢とともに発生頻度が上がるとされています。
胃底腺ポリープの消滅について
結論から言うと、胃底腺ポリープは自然に消滅することは稀です。
基本的に自然消失しない: 胃底腺ポリープは、過形成性ポリープのようにピロリ菌を除菌することで縮小・消失するタイプとは異なります。一度形成されると、自然に消えてなくなることはほとんどありません。
PPI中止による縮小・減少の可能性: ただし、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期服用によって発生・増大した胃底腺ポリープの場合、PPIの服用を中止することでポリープが縮小したり、数が減少したりする可能性が報告されています。これは、PPIによる高ガストリン血症が改善されるためと考えられます。
治療の必要性
胃底腺ポリープは、ほとんどの場合、良性であり、がん化のリスクが極めて低いため、症状がなければ積極的な治療(切除など)は必要ありません。内視鏡医が「良性で、心配ない」と判断すれば、基本的に経過観察となります。
ただし、ごく稀にですが、胃底腺ポリープからがんが発生したという報告も皆無ではないため、医師は定期的な内視鏡検査による経過観察を勧めることがあります。これは、ポリープ自体ががん化するというよりは、ポリープの内部に、最初から非常に早期のがんが隠れている可能性が極めて稀にあるため、あるいは、たまたまそのポリープとは別にがんが発生していないかを確認するため、という意味合いが強いです。
まとめ
発生理由: 胃の底腺組織が過剰に増殖し、嚢胞状に拡張することでできる。ピロリ菌がいないきれいな胃に多い。プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期服用が関連することもある。
重要性: 基本的に良性であり、がん化のリスクは極めて低いため、心配する必要はない。通常は経過観察となる。
ご自身の胃底腺ポリープも「良性で、ピロリ菌が関与していない」とのことでしたので、非常に良い状態の胃にできたポリープだと理解して良いでしょう。医師の指示に従い、定期的な検査を受けることが何よりも大切です。
良性のポリープ、そのうちに消えると思ってたけど、そうじゃないのか。
Q)ピロリ菌というものが胃がんに大きく関与することが発見された経緯について解説してください。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が胃がんに大きく関与することが発見された経緯は、20世紀後半の医学界の常識を覆す画期的な出来事であり、2005年のノーベル医学生理学賞の受賞につながる重要な発見でした。
従来の常識と疑問
20世紀の医学界では、胃の中は強力な胃酸によって非常に強い酸性環境であり、細菌が生息することは不可能だと考えられていました。そのため、胃炎や胃潰瘍は、ストレスや食生活、喫煙などが主な原因であるとされていました。胃がんはさらに遺伝的要因や生活習慣が複雑に絡み合う病気と考えられ、細菌との関連はほとんど考慮されていませんでした。
運命の発見:ウォーレンとマーシャル
この常識に疑問を投げかけ、ピロリ菌を発見したのが、オーストラリアの病理医ロビン・ウォーレン(J. Robin Warren)と、研修医であったバリー・マーシャル(Barry J. Marshall)の二人です。
細菌の発見(1979年) ロビン・ウォーレンは、1979年に胃炎患者の胃の生検組織を顕微鏡で観察していた際、胃粘膜の表面にらせん状の小さな細菌が多数存在していることに気づきました。当時の常識に反するこの発見に、彼は強い興味を抱きました。
培養の成功(1982年) ウォーレンは、この細菌が胃炎の原因ではないかと疑い、微生物学者であるバリー・マーシャルに共同研究を持ちかけました。二人はこの細菌を分離・培養しようと試みましたが、通常の細菌培養法ではなかなか成功しませんでした。 転機は、偶然訪れました。ある時、マーシャルがイースター休暇で培養器に入れた菌を通常より長く放置してしまったところ、通常48時間で確認するところを5日後に見ると、なんと菌が増殖しているのを発見したのです。これにより、この細菌が通常の細菌よりも培養に時間がかかる特殊な性質を持っていることが判明し、培養に成功しました。これが、後にヘリコバクター・ピロリと名付けられる細菌の最初の培養成功例でした。
自己感染による病原性の証明(1984年) 培養に成功したものの、当時の医学界は彼らの主張に懐疑的でした。そこでマーシャルは、この細菌が本当に胃炎を引き起こすのかを証明するため、驚くべき行動に出ます。彼は自ら培養したピロリ菌を飲み込み、自らの胃に感染させるという人体実験を行ったのです。 その結果、マーシャルの胃には10日ほどで急性胃炎が発症し、胃内から実際にピロリ菌が検出されました。その後、抗生物質を服用することで胃炎は治癒し、ピロリ菌も除去されました。この自己感染による実験は、ピロリ菌が胃炎を引き起こす直接的な原因であることを明確に示し、コッホの4原則を満たすものとして、その病原性を裏付ける決定的な証拠となりました。
胃がんとの関連性の解明
ウォーレンとマーシャルの発見当初は、主に胃炎や胃・十二指腸潰瘍との関連が注目されました。しかし、その後の研究で、ピロリ菌感染と胃がんとの間に深い関係があることが徐々に明らかになっていきます。
慢性炎症と萎縮性胃炎の進行: ピロリ菌の慢性感染は、胃粘膜に持続的な炎症(慢性胃炎)を引き起こします。この炎症が長期間続くと、胃粘膜が正常な機能を失って薄くなる「萎縮性胃炎」へと進行します。さらに進行すると、腸の粘膜に置き換わる「腸上皮化生」という状態になります。これらの変化は、胃がんの前段階として認識されるようになりました。
疫学研究による関連性の確立: 世界中で大規模な疫学調査が行われ、ピロリ菌感染者では胃がんの発生率が非感染者に比べて有意に高いことが次々と報告されました。特に日本では胃がんの発生率が高く、ピロリ菌感染者も多かったことから、この関連性の研究が活発に進みました。 日本での追跡調査では、ピロリ菌感染者からは胃がんの発症が認められたのに対し、ピロリ菌未感染者からの胃がん発生はほとんどなかったというデータが蓄積されました。
WHOによる発がん性認定(1994年) これらの研究結果を受けて、1994年に世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、ピロリ菌を「確実な発がん因子(Class 1 carcinogen)」として認定しました。これは、タバコやアスベストなどと同じレベルの発がん性を持つと認められたことを意味します。
除菌による胃がん予防効果の確認: さらに、胃がんを内視鏡治療で治癒した患者を対象とした研究で、ピロリ菌を除菌した群と除菌しなかった群を比較したところ、除菌した群の方が二次胃がん(再発ではなく、新たに胃の別の場所で発生する胃がん)の発症率が大幅に低いことが示されました。この結果は、ピロリ菌を除菌することが胃がんの予防につながることを明確に裏付けるものでした。
ノーベル賞受賞(2005年)
ウォーレンとマーシャルの、医学界の常識を覆したピロリ菌の発見と、その後の消化器疾患、特に胃炎、胃潰瘍、そして胃がんとの関連性の解明に対する貢献は、高く評価され、2005年にノーベル生理学・医学賞が授与されました。
この発見により、胃がんの予防・治療戦略は大きく変化し、現在では「胃がんの99%はピロリ菌感染に由来する」とまで言われるようになっています。ピロリ菌の除菌治療が保険適用となり、胃がんの一次予防(病気になる前の予防)として重要な位置を占めるようになったのは、これらの画期的な発見と研究の積み重ねがあったからに他なりません。
マーシャルありがとう。足を向けて寝られない。