自分の好きなタイプのアルバムに似た傾向の作品を探す。
Q)ニック・ドレイク、ティム・ハーディン、ドノヴァンなどの、1960年代後半頃のフォーク出身のアーティストが、ジャズに接近した作品が好きなのですが、そうした文脈にある作品をたくさん紹介してもらえませんか?
ニック・ドレイク関連
Nick Drake - Bryter Layter (1970)
- 背景: イギリスのシンガーソングライター、ニック・ドレイクの2作目。デビュー作「Five Leaves Left」と比べ、ジャズやポップスに接近したアレンジが特徴。
- 特徴: ジャズの影響を受けたサックスやフルート、ストリングスを取り入れたアレンジ。軽快なトーンが漂い、都市的な感覚が感じられる。
- 聴きどころ:
- "At the Chime of a City Clock" のジャズ風のフルートとサックス。
- "Hazey Jane II" のテンポ感とカントリーフォークの融合。
- "Northern Sky" はシンプルながらエモーショナルな楽曲で、アルバムのハイライト。
ティム・ハーディン関連
Tim Hardin - Suite for Susan Moore and Damion: We Are One, One, All in One (1969)
- 背景: シンガーソングライターとして評価の高いハーディンの中でも、最も実験的な作品の一つ。
- 特徴: ジャズやアヴァンギャルドの要素を取り入れ、フォークソングから脱却。長尺の即興的な構成が印象的。
- 聴きどころ:
- 自伝的な歌詞と詩的な構造が感じられる "First Love Song"。
- ジャズ的な自由さを持つインストゥルメンタルセクション。
ドノヴァン関連
Donovan - Wear Your Love Like Heaven (1967)
- 背景: ドノヴァンが「A Gift from a Flower to a Garden」という2枚組アルバムで発表したディスク1。
- 特徴: フォークの基盤に、サイケデリックやジャズの要素を加えた軽やかなサウンド。都会的で明るいトーンが特徴。
- 聴きどころ:
- タイトル曲"Wear Your Love Like Heaven"のエキゾチックなメロディと穏やかな歌声。
- "Mad John's Escape" のリズム感とジャズ的な展開。
ヴァン・モリソン関連
Van Morrison - Astral Weeks (1968)
- 背景: フォークやブルースのバックグラウンドを持つヴァン・モリソンが、ジャズ的な即興性と詩的な歌詞で新しい方向性を示した名作。
- 特徴: フォーク、ブルース、ジャズを融合。フルートやストリングスを用い、夢のような音の世界を作り上げた。
- 聴きどころ:
- "Madame George" の長尺でドラマチックな展開。
- タイトル曲 "Astral Weeks" の内省的な雰囲気とアコースティックギターの温かさ。
- "Sweet Thing" はアルバムの中でも希望に満ちた明るい曲調。
ジョン・マーティン関連
John Martyn - Solid Air (1973)
- 背景: ジャズとフォークの融合を深めた作品で、ニック・ドレイクに捧げたタイトル曲が収録されている。
- 特徴: アコースティックギターの独創的な演奏と、柔らかなヴォーカルが特徴。ジャズフュージョン的な楽器編成も目立つ。
- 聴きどころ:
- タイトル曲 "Solid Air" はジャズの即興性が感じられる傑作。
- "May You Never" はフォークとブルースが融合したシンプルで心温まる楽曲。
John Martyn - Inside Out (1973)
- 背景: "Solid Air" の成功を受けて、さらにジャズの即興性を追求した実験的なアルバム。
- 特徴: ギターのエフェクトを多用し、アンビエントな音作りに挑戦。ジャズ的な構成が多くの楽曲で展開される。
- 聴きどころ:
- "Fine Lines" のサックスとギターの絡み。
- "Make No Mistake" の自由奔放な展開。
ペンタングル関連
Pentangle - Basket of Light (1969)
- 背景: ジャズとフォークの融合を追求したイギリスのスーパーグループ、ペンタングルの代表作。
- 特徴: ダニー・トンプソンのコントラバスが際立ち、フォークソングをジャズ的なアプローチで再解釈。
- 聴きどころ:
- "Light Flight" の軽快なギターリフとジャズ的なリズム。
- "Once I Had a Sweetheart" のフォークとジャズの調和。
バート・ヤンシュ関連
Bert Jansch - Birthday Blues (1969)
- 背景: ペンタングルのギタリストであるバート・ヤンシュがソロ名義で発表した作品。
- 特徴: ジャズやブルースの要素を取り入れたギター演奏が中心。インストゥルメンタルと歌物が絶妙に配置されている。
- 聴きどころ:
- "The Bright New Year" のシンプルなギターと哀愁漂う歌詞。
- "Miss Heather Rosemary Sewell" の美しいメロディ。
ティム・バックリー関連
Tim Buckley - Happy Sad (1969)
- 背景: シンガーソングライターのティム・バックリーがジャズの要素を本格的に取り入れたアルバム。
- 特徴: フォークとジャズが緩やかに融合し、即興的な展開が特徴的。彼の歌声が楽器のように機能する。
- 聴きどころ:
- "Strange Feelin'" のドリーミーなサウンドスケープ。
- "Buzzin' Fly" の軽快なメロディ。
Tim Buckley - Lorca (1970)
- 背景: フォークからさらに進化し、アヴァンギャルドで実験的なサウンドに挑戦。
- 特徴: 即興的でジャズに強く影響された構成。ミニマルな楽器編成と幽玄な歌声が特徴。
- 聴きどころ:
- タイトル曲"Lorca" の瞑想的な雰囲気。
- "Anonymous Proposition" の内省的なサウンド。
ジュディ・シル関連
Judee Sill - Judee Sill (1971)
- 背景: フォークにクラシカルなアレンジとジャズの要素を加えた、シルのデビューアルバム。
- 特徴: ストリングスのアレンジが印象的で、フォークを基盤にしながらも複雑な楽曲構造が特徴。
- 聴きどころ:
- "Crayon Angels" の優雅なメロディと歌詞。
- "Jesus Was a Cross Maker" の軽快なリズム。
上記の作品群は、フォークの枠を超えてジャズや実験音楽の領域に足を踏み入れた歴史的な意欲作ばかりです。気になる作品についてさらに深く知りたい場合はお知らせください!
Q)では、2000年代以降において、フォーク/カントリーのアーティストが他のジャンルに接近した作品を紹介してください。
ジャズや実験音楽に接近した作品
Joanna Newsom - Ys (2006)
- 背景: シンガーソングライターとして高い評価を受けるニューサムの2作目で、ヴァン・ダイク・パークスがオーケストラアレンジを担当。
- 特徴: フォークの基盤にクラシックとジャズの要素を加えた壮大なサウンド。各楽曲が10分を超える長尺で、緻密な構成と物語性が特徴。
- 聴きどころ: "Emily" や "Sawdust & Diamonds" はフォークとクラシック音楽の融合の頂点。
Bill Callahan - Sometimes I Wish We Were an Eagle (2009)
- 背景: Smogとして活動していたカラハンのソロ作で、成熟したサウンドと哲学的な歌詞が魅力。
- 特徴: フォークとカントリーを基盤に、ジャズのような自由なアプローチが見られる。ミニマルな編曲と深い声が特徴。
- 聴きどころ: "Jim Cain" のメランコリックなメロディや、オーケストラを活用した "Eid Ma Clack Shaw"。
Sufjan Stevens - The Age of Adz (2010)
- 背景: フォーク路線の作品から一転し、エレクトロニカと現代音楽に挑戦したアルバム。
- 特徴: シンセサイザーやオーケストレーションを駆使し、フォークを新たな方向性に押し上げた実験作。
- 聴きどころ: タイトル曲"The Age of Adz"や25分に及ぶ大作"Impossible Soul"。
Big Red Machine - Big Red Machine (2018)
- 背景: Bon Iverのジャスティン・ヴァーノンとThe Nationalのアーロン・デスナーによるプロジェクト。
- 特徴: フォーク、エレクトロニカ、現代音楽の融合。即興性の高い制作手法が特徴。
- 聴きどころ: "Deep Green" や "Gratitude" は柔らかなフォークと電子音の融合。
ロックやオルタナティブに接近した作品
Fleet Foxes - Helplessness Blues (2011)
- 背景: フォーク・ハーモニーの復興を担ったバンドの2作目で、より深い内省を反映。
- 特徴: オーケストレーションとアートロックの要素を取り入れた、壮大かつ抒情的な作品。
- 聴きどころ: タイトル曲"Helplessness Blues"や "The Shrine / An Argument" のドラマチックな展開。
Father John Misty - I Love You, Honeybear (2015)
- 背景: 元Fleet Foxesのドラマーがソロ名義で発表した2作目。
- 特徴: フォークをベースにしながら、オルタナティブロックやポップスの影響を受けた大胆なアプローチ。
- 聴きどころ: "Chateau Lobby #4" や "Bored in the USA" のアイロニーたっぷりの歌詞。
Bon Iver - Bon Iver, Bon Iver (2011)
- 背景: 初期のアコースティックなフォークから、シンセやエレクトロニカを導入した2作目。
- 特徴: アンビエント的なサウンドとフォークの親密さが融合。各曲のタイトルが地名をテーマにしている。
- 聴きどころ: "Holocene" は内省的な歌詞と美しいアレンジが光る。
エレクトロニカに接近した作品
Iron & Wine - Kiss Each Other Clean (2011)
- 背景: 初期のローファイ・フォークサウンドから脱却し、よりポップでプロデュースされたサウンドに挑戦。
- 特徴: エレクトロニカ、ジャズ、ソウルを取り入れた多面的な作品。
- 聴きどころ: "Tree By the River" の明るいメロディや "Your Fake Name Is Good Enough for Me" の複雑な展開。
First Aid Kit - Ruins (2018)
- 背景: スウェーデン出身の姉妹デュオが、カントリーとフォークの枠を超えたサウンドを追求。
- 特徴: フォークにドリーミーな要素を加えたアルバムで、シネマティックなプロダクションが際立つ。
- 聴きどころ: "Fireworks" や "Postcard" の哀愁漂うメロディ。
ソウルやブルースに接近した作品
Rhiannon Giddens - Freedom Highway (2017)
- 背景: カロライナ・チョコレート・ドロップスのメンバーとしても知られるギデンズのソロ作品。
- 特徴: アフリカ系アメリカ人の音楽遺産(ブルース、ゴスペル)を取り入れ、フォークと融合。
- 聴きどころ: タイトル曲"Freedom Highway"や "At the Purchaser’s Option" の情熱的な歌唱。
Alela Diane - The Pirate's Gospel (2007)
- 背景: アメリカ西海岸を拠点とするシンガーソングライターのデビュー作。
- 特徴: カントリー、ブルース、フォークの要素を融合。弾き語り中心のシンプルなサウンド。
- 聴きどころ: タイトル曲や "Can You Blame the Sky?" の叙情的な表現。
ポップやインディーに接近した作品
The Lumineers - Cleopatra (2016)
- 背景: 世界的なヒットとなったデビュー作に続くアルバム。
- 特徴: フォークとポップの融合で、シンプルながらも感情を揺さぶるメロディが特徴。
- 聴きどころ: タイトル曲"Cleopatra"や "Ophelia" のキャッチーなサウンド。
Phoebe Bridgers - Punisher (2020)
- 背景: フォークとインディーロックを基盤にした作品で、2020年代を代表する傑作の一つ。
- 特徴: 繊細な歌詞とアンビエント的なサウンド。個人の孤独と広い世界観を描く。
- 聴きどころ: "Kyoto" や "I Know the End" のカタルシス。
Norah Jones - Not Too Late (2007)
- 背景: ジャズシンガーとして知られるノラ・ジョーンズが、フォークやカントリーの要素を深めた作品。
- 特徴: フォークとカントリー、ジャズが混ざり合う温かみのあるアルバム。
- 聴きどころ: "Thinking About You" や "Not Too Late"。
フォーク/カントリーとワールドミュージックの融合
David Crosby - Here If You Listen (2018)
- 背景: フォークロックのレジェンドが、ワールドミュージックやアンビエントに接近。
- 特徴: 繊細なハーモニーと即興的な楽曲構成が特徴。
- 聴きどころ: "Glory" や "Vagrants of Venice"。
Anaïs Mitchell - Hadestown (2010)
- 背景: ギリシャ神話をテーマにしたコンセプトアルバム。後に大ヒットしたミュージカルに発展。
- 特徴: フォークにブルースやジャズ、ワールドミュージックの要素を取り入れた独創的なサウンド。
- 聴きどころ: "Way Down Hadestown" や "Why We Build the Wall"。
これらのアルバムは、それぞれ異なる視点でフォークやカントリーの可能性を広げた作品です。さらに深掘りしたい作品があれば教えてください!
聴いたことのある作品もいくつかある。
Q)日本の最近の音楽で、フォークから他のジャンル(ジャズ、現代音楽、エレクトロニカ等)に接近したものがあれば、それらも挙げてみてください。
ジャズに接近した作品
青葉市子 - qp (2018)
- 背景: 繊細なギターと透明感のある声が特徴のシンガーソングライター。
- 特徴: フォークを基盤にしながら、複雑なコード進行やジャズの要素を取り入れたアコースティックな楽曲。
- 聴きどころ: "機械仕掛乃宇宙" ではミニマルなギターと豊かなメロディラインが融合。
坂本慎太郎 - ナマで踊ろう (2020)
- 背景: 元ゆらゆら帝国のフロントマンが手掛けるソロプロジェクト。
- 特徴: フォークとジャズ、サイケデリックが融合した独自の音楽性。落ち着いたトーンの中に実験的なアレンジが光る。
- 聴きどころ: "あなたもロボットになれる" の柔らかいメロディとジャズ風のアレンジ。
現代音楽に接近した作品
細野晴臣 - HOCHONO HOUSE (2019)
- 背景: 細野晴臣が1973年のアルバム『HOSONO HOUSE』を再構築した作品。
- 特徴: フォークの原型を保ちつつ、電子音や現代音楽の要素を加えた新しい解釈。
- 聴きどころ: "相合傘" は原曲のフォーク感を保ちながら、ミニマルでモダンなサウンド。
折坂悠太 - 平成 (2018)
- 背景: 民謡やフォークにルーツを持ちながら、現代的な音楽性を追求するシンガーソングライター。
- 特徴: フォークを基盤にしつつ、複雑なリズムや音響処理で現代音楽的なアプローチを採用。
- 聴きどころ: "平成" の壮大な音響空間とフォークの歌詞が融合。
エレクトロニカに接近した作品
テニスコーツ - Music Exists シリーズ (2015–2016)
- 背景: インディーフォークデュオが展開する実験的なプロジェクト。
- 特徴: フォークの親密な雰囲気にエレクトロニカやアンビエントの要素を融合したミニマルなサウンド。
- 聴きどころ: "Frozen" はアコースティックと電子音の美しいバランス。
前野健太 - サクラ (2020)
よく聴いていたものばかりだ。やはりAmazonのレコメンドエンジンが薦めてくれるものと共通しているのだろう。なるほど。